「また今日も、パソコンの前で手が止まってしまった…」
「自分には才能がないのかも…」と不安になる人は多いのではないでしょうか。
実は私も、同じように悩んでいた時期がありました。ブロガーとして自分のブログやnoteで記事を書き、ライターとしてクライアントから依頼を受けて記事を書く——7年間そんな働き方を続けてきた中で、たくさんの書き手に出会ってきました。
そして気づいたのは、書く仕事を続けている人には、特別な才能ではなく、ある共通の”習慣”や”考え方”があるということでした。しかもそれは、誰でも今日から真似できるような、意外とシンプルなことだったんです。
この記事では、書くことを仕事にして続けている人の共通点と、これから書き始めたいあなたにすぐ役立つアドバイスをお届けします。
書く仕事を続けられない人の特徴
まず、続けられない人の特徴を見てみましょう。実は私も、最初はこのタイプでした。
1. 完璧主義すぎて公開できない
「100点にならないと出せない」と思い込んで、下書きに眠らせたまま。
2. モチベーションに頼りすぎている
やる気がある日しか書けないので、気分が乗らないと何も進まない。
3. すぐに結果を求めてしまう
「まだPVが伸びない」「反応がない」とすぐに諦めてしまう。
4. 他人と比較して落ち込む
「あの人の方がうまい」「自分なんて…」と自信を失ってしまう。
心当たりがある方も、大丈夫です。これから紹介する習慣を少しずつ取り入れることで、書くことが自然に続くようになります。
書く仕事を続けている人の6つの共通点
書く仕事を続けている人には、主に以下の共通点があります。
1. うまく書けない日も、書くことから離れすぎない
書く仕事をしていると、「なんだか今日は書けないな…」という日が必ずやってきます。
タイピングが進まない。言葉が降りてこない。頭の中が真っ白。
でも、続けている人はそういう日を”ダメな日”だと決めつけないんですよね。むしろ、「書けない日の過ごし方」のレパートリーが豊富なんです。
ライターの場合:
- 「今日は構成だけ」「見出しだけ決めよう」
- リサーチに時間を使う
- 過去記事のリライトをする
- ポートフォリオを整える
ブロガーの場合:
- 下書きに眠っている記事を見直す
- 好きなブロガーの記事を読み漁る
- ネタ帳を整理する
- アナリティクスを見て人気記事を分析
完全に手を離すんじゃなくて、遠くに行きすぎない。そのスタンスが、書くこととの関係をこじらせずに済む秘訣です。
2. 書くための”時間”より、”余白”を大事にしている
「書く時間を確保しなきゃ」と思うこと、ありますよね。もちろん大事です。
でも実は、書かない時間に「余白」があるかどうかも、同じくらい重要なんです。
育児と仕事の両立で日々バタバタしていると、頭の中は「やることリスト」でいっぱいになります。でも、そんな日々の中でもふと「今日の晩ごはん、どうしようかな」と考える数分間に、書く種が見つかったりするんですよね。
- 電車の中でぼんやり窓の外を眺める時間
- お風呂に浸かってぼーっとする瞬間
- 寝る前のほんの少しの静けさ
そういう”すき間”にこそ、書く人の視点が宿るんだなと感じています。
私の知り合いのライターさんは、「お風呂掃除しながら、『このカビ、人間関係みたいだな』とか考えてる。そういうのが記事になる」と言っていました。
あるブロガーさんは、「スーパーのレジ待ちの時間に、スマホのメモ帳にネタを書き留めてる。レジのおばちゃんの言葉遣いが優しくて、それだけで記事一本書けた」って笑っていました。
日常のあらゆる瞬間が、書くネタになるんです。
3. 書く理由が「届けたい誰か」になっている
続けている人ほど、「何を書くか」より「誰に届けたいか」がはっきりしている気がします。
ライターなら、最初は「とにかく案件をこなさなきゃ」だったのが、「このクライアントの商品、本当にいいから読者に伝えたい」「この記事で誰かの悩みを解決できるかも」と思えるようになっていく。
一方、ブロガーなら、最初は「書くのが好きだから」で始めても、「過去の自分のような悩みを持つ人に届けたい」「コメントくれたあの人のために書きたい」と変わっていくんです。
実は私も、最初の頃は「とにかくたくさん書けばPVが伸びる!」「案件をこなせば稼げる!」みたいに思っていました。でも、そういう記事って、書いてる自分もなんだか虚しくなってくるんですよね。
転機になったのは、読者さんからもらった一通のメッセージでした。

あなたの記事を読んで、私も書く仕事に挑戦してみようと思いました。
その一言で、すべてが変わりました。誰か一人の背中を押せるなら、それだけで書く意味があるって。
それからは、「過去の自分」や「悩んでいるあの人」を思い浮かべながら書くようになりました。
4. 「文章力」より、「整える力」がある
意外かもしれませんが、書く仕事を続けている人って、「特別な文章力」より、「整える力」がある人が多いなと感じます。
- 情報を整理する
- 思考を並べる
- 感情の輪郭をはっきりさせる
そういう”整える力”があるからこそ、読みやすく、伝わりやすい文章になるんですよね。
仕事で出会った編集者さんにこう言われたことがあります。
「上手い文章より、整った文章の方が100倍使える」
ライターの場合は、クライアントが求めているのは華麗な文章ではなく、情報が整理されていて読者に伝わる文章。SEOライティングでも、構成がしっかりしていることが何より大事です。
一方で、ブロガーの場合は、読者が最後まで読んでくれるのは文章が美しいからじゃなく、読みやすくて理解しやすいから。見出しで内容が分かる、段落が適切、これだけで離脱率が変わります。
そして何より、自分の頭や心もその都度ちょっとずつ整っていく。書くことって、整えることなんだなとしみじみ思います。
5. 完璧じゃなくていい、をちゃんと知っている
「100点じゃないと出せない」って思ってしまうと、書くことってとたんに重くなってしまいますよね。でも、書くことを続けている人は、“8割で出して、次に活かす”ことを自然にやっています。
私が憧れていた月間100万PVのブロガーさんに、「どうやってそんなに書けるんですか?」って聞いたことがあるんです。
「7割で出してるよ。完璧にしようとすると、永遠に公開できないから」
と言われて、え、7割…?100万PVの人が?と思いましたが、考えてみれば納得です。
ライターなら、納期を守ることが何より大事です。7割のクオリティで納品し、修正依頼があれば対応する方が、完璧を目指して納期を遅らせるよりも信頼されます。
ブロガーであれば、7割で公開して読者の反応を見て必要ならリライトする。公開しなければ誰にも届かないですし、反応も分かりません。完璧を目指して下書きに眠らせるよりも、ずっと成長につながります。
「書きながら整えていく」「書いたからこそ見えるものがある」ってことを、続けている人はちゃんと体感しているんです。
6. 書くことは、暮らすことでもある
書くことが”仕事”になると、どうしても「成果」とか「納品」「収益」とか、そういう言葉に引っ張られがちです。
でも、私が「この人、書くことが根づいてるな」と感じる人たちは、暮らしの中に自然と”書く視点”が溶け込んでるんですよね。
- 子どもと会話した一瞬のやりとり
- 道端で見かけた猫の寝方
- 帰り道でふとよぎった昔の記憶
- カフェで聞こえてきた会話の断片
そういう生活のひとこまを、ちゃんと拾って、自分の言葉にできる。
ライターなら「今日のこの体験、クライアントのあの案件に使えるかも」と自然に考えられて、日常が全部ネタになる。ブロガーなら「この感情、記事にしたらきっと共感してもらえる」と、自分の体験を読者目線で見られるんです。
書くことが特別なことじゃなくて、暮らしの一部になっている。それが”続けられる書き手”の土台をつくっているように思います。
書く習慣を身につける具体的な方法
ここからは、もっと実践的な「続けるコツ」をお伝えします。ライターでもブロガーでも使える方法です。
毎日15分だけ書く時間を作る
いきなり「毎日2時間書く!」は続きません。まずは15分だけ。
ライターの場合:
- 朝起きてすぐ15分、構成を考える
- お昼休みに15分、リサーチする
- 寝る前に15分、見出しだけ書く
ブロガーの場合:
- 通勤電車で15分、スマホでメモを書く
- 子どもが寝た後15分、下書きを進める
- 朝のコーヒータイムに15分、前日の下書きを見直す
書くハードルを下げる工夫
- 箇条書きでOK
- メモ書きでOK
- 誤字脱字は後で直せばOK
- とにかく「書いた」という事実を積み重ねる
ライターの場合:
まず箇条書きで構成を作る→肉付けしていく、という流れにすると書きやすい。
ブロガーの場合:
思いついたことをとりあえず書く→後で整える、の順番でOK。完璧を求めないことが、続ける秘訣です。
書くネタのストック方法
スマホのメモアプリを活用しましょう。
ライターの場合:
- クライアントの業界に関する気づき
- 記事に使えそうなデータや統計
- 良い表現や言い回しのストック
ブロガーの場合:
- 気になった言葉
- ふと思ったこと
- 誰かとの会話で印象に残ったこと
- 「これ記事にしたい!」と思った体験
これらを日々メモしておくと、「書くネタがない!」という悩みから解放されます。
書くモチベーションが下がったときの対処法
続けていても、モチベーションが下がる時期は必ず来ます。そんなときの対処法です。
1. 過去の自分の記事を読み返す
「あれ、意外といいこと書いてるな」と思えることも多いです。成長を実感できます。
ライターなら過去の納品記事、ブロガーなら初期の記事を見返すと、確実に成長していることに気づけます。
2. 好きな書き手の文章に触れる
インプットも立派な”書く仕事”。刺激を受けてまた書きたくなります。
3. 書く目的を見直してみる
なぜ書き始めたのか、誰に届けたいのか、初心に戻ってみましょう。
ライターなら「この分野の専門性を高めたい」「誰かの役に立つ記事を書きたい」、ブロガーなら「自分の経験を誰かに届けたい」「書くことが好き」——そんな原点を思い出すことで、再び書くモチベーションを取り戻せます。
4. SNSから一時的に離れる
他人と比較して落ち込むなら、思い切ってSNSを見ない期間を作るのもアリです。
働き方別:続けるためのポイント
Webライターとして続けるコツ
1. 得意ジャンルを3つ決める
何でも書けるライターより、専門性があるライターの方が単価が上がりやすい。
2. クライアントとの関係を大切にする
継続案件をもらえると、安定して書き続けられます。レスポンスの速さ、納期厳守が信頼につながります。
3. ポートフォリオを定期的に更新
自分の成長を可視化でき、新しい案件獲得にもつながります。
ブロガーとして続けるコツ
1. PVに一喜一憂しすぎない
最初は誰も読んでくれないのが当たり前。100記事書くまでは、とにかく書くことを優先。
2. 読者との交流を楽しむ
コメントやSNSでの反応が、書き続けるモチベーションになります。
3. 収益だけを目標にしない
収益化は後からついてくる。まずは「誰かに届ける」「自分の経験を形にする」ことを楽しむ。
書くことを仕事にしたいあなたへ
「どうすれば、書くことが続けられるんだろう?」
「私には文章力がないから無理かも…」
そんなふうに思っている人がいたら、伝えたいことがあります。
続けている人が持っているのは、才能じゃなくて、ちょっとした”視点”だったり、自分との関係をこじらせない”付き合い方“だったりします。
もしあなたが、「書くことが好き」で「できれば仕事にしていきたい」と思っているなら、まずは完璧じゃなくていいから、書き続ける自分を信じてみてください。
小さな言葉でも、ひとつずつ積み重ねたその先に、”書く仕事が続いている自分”がきっと待っているはずです。
ライターとして、ブロガーとして、あるいはその両方として——。
あなたの書く日々が、少しでも軽やかで心地よいものになりますように。