「BtoBライターって、どんな仕事なんだろう?」
「専門性がないと、やっぱり難しいのかな…」
そんな疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
BtoBライターは、企業向けのコンテンツを専門に書くライターのことです。専門性があると有利ですが、必須ではありません。
この記事では、BtoBライターの仕事内容から必要なスキル、そして専門性を武器にして案件を獲得する方法まで、詳しく解説していきます。
BtoBライターとは?【基本を押さえよう】
企業向けコンテンツを書く専門ライター
BtoBとは「Business to Business」の略で、企業間取引のことを指します。つまり、BtoBライターは企業が他の企業に向けて発信するコンテンツを書くライターです。
仕事内容は、企業の広報やマーケティングをサポートすること。企業の代わりに記事や資料などを作成し、取引先やお客様にわかりやすく情報を伝える役割を担います。
BtoCライターとの違い
BtoCライター(一般消費者向け)とBtoBライターでは、求められるものが大きく異なります。
| BtoB | BtoC | |
|---|---|---|
| 読者 | 企業の担当者や意思決定者 | 個人消費者 |
| 購買プロセス | 複数人の承認が必要 検討期間が長期化する | 短期間で即決されることが多い |
| 文章のトーン | 論理的でファクトベースの文章 | 感情に訴えるキャッチーな表現 |
BtoB商材は高額であることが多く、購入の決断には各企業ごとに定められた承認プロセスの通過が必要です。そのため、「面白さ」よりも「信頼性」が何よりも重視されます。
このようなBtoB特有の承認プロセスを理解した上で、各企業の商材をどのようにPRしていくかを考えながら制作にあたることが大切です。
BtoBライターの具体的な仕事内容
BtoBライターが担当する制作物は、実に多岐にわたります。
SEO記事・コラム
企業のオウンドメディア向けに、検索エンジンからの流入を増やすための記事を執筆します。キーワード選定から構成作成、執筆まで一貫して担当することも多いです。
競合記事を分析し、検索上位を狙うための見出し構成を設計したり、専門用語をわかりやすく解説しながら、読者の疑問に答える内容にまとめたりします。
導入事例・インタビュー記事
他社の成功事例を取材し、記事にまとめます。顧客企業の担当者にインタビューを行い、導入の背景や効果、具体的な活用方法などをヒアリングして記事化します。
導入前の課題、選定理由、導入後の変化といった流れで構成し、読み手が自社に置き換えて検討できるような内容に仕上げます。

ホワイトペーパー
専門的な調査レポートや資料を作成します。見込み客を獲得するためのダウンロードコンテンツとして活用されることが多く、図解や統計データを用いながら、専門知識をわかりやすく解説します。
業界のトレンドや課題を提示し、解決策を論理的に示していく構成が一般的です。10〜30ページ程度のボリュームになることもあります。
サービス紹介LP(ランディングページ)
商品・サービスの魅力を伝え、問い合わせを促すためのページを作成します。ターゲット顧客の課題を明確にし、解決策としてのサービスを提示する構成で執筆。
キャッチコピーから導入部、サービスの特徴、導入の流れ、料金、よくある質問まで、一連の流れを設計し、問い合わせボタンへ誘導します。
メールマガジン・ステップメール
定期的な情報発信や、見込み客との関係構築(ナーチャリング)のためのメールコンテンツを執筆。読者の状況に合わせて、段階的に情報を提供していく文章を作成します。
件名の設計から本文の執筆、リンクの配置まで担当し、開封率やクリック率を意識した文章作りを行います。
企業広報誌・プレスリリース
新商品の発表や企業の取り組みなどを、正確かつ簡潔に伝える文章を作成します。
プレスリリースでは5W1Hを明確にし、ニュース性のある情報を冒頭に配置。企業広報誌では、社内外の顧客に向けて、事業の進捗や社員インタビュー、業界動向などを執筆します。
BtoBライターに求められる5つのスキル
BtoBライターとして活躍するために身につけておきたい5つのスキルを見ていきましょう。
リサーチ力
正確な情報収集は、信頼性の高い記事を書くための基盤です。
業界動向や競合分析、統計データの活用など、幅広いリサーチ能力が求められます。特に、一次情報を重視する姿勢が大切です。インターネット上の情報をそのまま引用するのではなく、公式サイトや論文、取材など、信頼できる情報源にあたる習慣をつけましょう。
論理的思考力
BtoBの文章は、ファクトベースで論理的であることが求められます。
因果関係を明確に示し、「なぜそうなるのか→だからこうなる」という流れを丁寧に作ることが重要です。主観的な感想ではなく、客観的な事実を積み上げていく文章が好まれます。
SEOライティング
BtoBライティングには、社内向けや既存顧客向けのコンテンツもありますが、見込み客を獲得するためのオウンドメディア記事を書く機会も多くあります。
そのため、検索エンジンで上位表示されることは、多くのBtoB企業にとって重要な目標です。検索意図を正しく理解し、キーワードを適切に配置する。読みやすさと検索エンジン最適化を両立させる。このバランス感覚が、SEOライティングでは求められます。
4. ビジネス知識・マーケティング理解
BtoBマーケティングの基礎知識は、必須と言えます。
カスタマージャーニー(顧客が商品を認知してから購入に至るまでのプロセス)の理解や、購買承認プロセスへの理解があると、より効果的なコンテンツが作れます。
ビジネス系のメディアを日常的に読んだり、マーケティングの基礎を学んだりすることで、自然と身についていきます。
取材力・ヒアリング力
インタビュー記事や導入事例を書く際には、取材力が不可欠です。
クライアントの真のニーズを引き出す質問力、専門家へのインタビュー技術、本質を見抜く洞察力。これらは経験を積むことで磨かれていきます。
BtoBライターのやりがいと魅力
専門性が身につく
執筆を通じて、さまざまな業界の知識が自然と蓄積されていきます。
IT、製造業、人事、マーケティング…。取材を重ねるごとに、第一線で活躍するビジネスパーソンと出会い、最新のビジネストレンドに触れることができます。
スキルアップが継続的な成長につながり、ライターとしての価値も高まっていく。そんな好循環が生まれます。
社会課題の解決に携わる実感
「この会社のビジネス、面白い!」
BtoBライターをしていると、そんな発見がたくさんあります。
企業の成長を言葉でサポートする充実感、社会に価値を提供している実感。応援したい企業が増えると、社会とつながっている感覚や、ライターという職業を通して社会貢献をしている気持ちが生まれます。
さまざまな社会課題を解決するビジネスを知ることができるのは、BtoBライターならではの魅力です。
幅広い業界を横断できる
一つの業界だけに縛られず、色々な分野を見渡せるのもBtoBライターの特徴です。
ジャンルをまたがって幅広く見られるのは、とても楽しいことです。「社会全体を見渡したい」という人にBtoBはぴったりです。
飽きることなく、常に新しい学びがある。それがこの仕事の面白さです。
在宅・リモートで働ける
場所を選ばない働き方ができるのも、大きな魅力です。
自宅で仕事ができるので、子育てや介護との両立もしやすいです。ライフスタイルに合わせた柔軟な働き方が実現できます。

深く考える楽しさ
論理的な文章を組み立てる面白さ、複雑な情報をシンプルに伝える達成感。
BtoBライターには、そんな「深く考える楽しさ」があります。論文のようなファクトベースの固い文章が好きな人には、特におすすめです。
BtoBライターに向いている人
ビジネスへの好奇心が強い
「この会社、何をしているんだろう?」 「このサービス、どんな仕組みなんだろう?」
そんなふうに、ビジネスに対して自然と興味が湧く人は、BtoBライターに向いています。社会の仕組みを知るのが好き、という人にもおすすめです。
論理的な文章が得意・好き
小説やエッセイよりも、レポート的な文章を書くのが得意。ファクトを積み上げていくのが楽しい。
そんな人は、BtoBライターの適性があります。
深く調べるのが苦にならない
リサーチに時間をかけることができる、正確性にこだわれる。
そんな丁寧な姿勢を持っている人は、クライアントからも信頼されます。
幅広いジャンルに興味がある
一つの分野に縛られず、色々な業界を見てみたい。そんな好奇心旺盛な人にも、BtoBライターはおすすめです。
「自分には向いていないかも…」と思った方も、興味さえあれば、スキルは後からついてきます。私も最初は何もわからないところから始めましたが、一つずつ学んでいくうちに、いつの間にかできることが増えていました。
専門性を武器にするための3ステップ
ステップ1:基礎を固める
- Webライティングの基本を習得する
- SEOの基礎知識を身につける
- ビジネス・マーケティングの基礎を学ぶ
まずは、ライターとしての基礎を身につけましょう。PREP法(結論→理由→具体例→結論)などのわかりやすい文章の書き方、キーワード選定や検索意図の理解といったSEOの基本、そしてビジネス系メディアを読むことでのビジネス知識の習得が土台になります。
ステップ2:専門分野を選び、実績を作る
- 過去の職歴や業界経験を活かす
- 保有資格を活用する
- 純粋に興味のある分野を選ぶ
クラウドワークスやランサーズで「未経験OK」の案件に応募しながら、並行してブログやnoteに専門分野の記事を3〜5本作成しましょう。実績ゼロでも、「こういう記事が書けます」と見せることで、採用率が上がります。
ステップ3:専門性を高めて継続案件へ
- 業界知識を深める
- SNSで発信する
- 企業への直接応募
実績ができてきたら、さらに専門性を高めていきます。地道な学習を続けながら、Xなどで発信し、ポートフォリオとして活用しましょう。
継続的な学習でスキルアップし、クライアントとの信頼関係を構築することで、自然と案件の質も高まっていきます。

BtoBライター不足の今がチャンス
実は今、BtoBライターは深刻な人手不足に陥っています。
BtoCライターは増えていますが、BtoBに対応できるライターは少ないのが現状です。一方で、企業のコンテンツマーケティング需要は年々増加しています。
専門性を持ったライターは、どこでも重宝されます。
今から始めれば、先行者として経験を積むことができる。まさに、今がチャンスと言えるタイミングといえるでしょう。
まとめ:まずは小さな一歩から
BtoBライターは、自分の得意や興味をいかしながら、少しずつ専門性を育てていける仕事です。
最初から知識がなくても、記事を書くうちに自然と知識が増えていったり、得意なテーマが見つかったりします。焦らず続けていくことで、自分らしい成長の形が見えてきます。
今はBtoBライターの数がまだ少なく、求める企業がどんどん増えています。学びながら成長できるチャンスがたくさんある仕事と言えるでしょう。

